絶望先生
よつばと
幻想水滸伝
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銀魂以外のもの置き場。
2024.05.19 Sun 06:48:04
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シグサギ兄妹設定です。幽世の門時代捏造。 *5-2 これほどまでに破壊力を持つ言葉を、 他に知らずに生きてきた俺は幸せだったのかもしれない。 「おにいちゃん」 人を殺める術を叩き込まれて、幼い感覚はそれが間違いである事すら知らずにいた。 一つ下の妹は俺より賢く、教えられた事をすんなり飲み込んで 大人達の意図通り兵器になっていった。 俺は妹より運動能力が勝った。 引き付け役と息の根を止める役、重宝がられて兄妹二人よく駆り出された。 兄妹揃って人殺しに向いてるなんて皮肉なもんだ、と思った。 (初めて行った時は腹を怪我したっけ) 動きの遅さを、躊躇を咎められた。 生身の人間相手は初めてで、その体温にぞくりとした事を覚えている。 最高に気持ち悪かった。多分吐いた。 妹の目前で人を殺める事が多かった為、 その時の彼女の表情を努めて見ないようにしていた。 いつしか、妹は笑顔しか作れなくなっていた。 「シグレ、オボロさんが呼んでる」 「あん?」 「仕事」 「あ~~…面倒くせえな…」 「わたしもいくよ」 「……そ、か」 頭をがりがり掻いて、シグレは咥えていたキセルの灰を落とした。 これは組織を抜けてから吸い始めたと、サギリは記憶している。 そして自分がシグレを名前で呼ぶようになったのも、その頃からだ。 少しだけ、少しでも変わろうとした結果だった。 横に並んで歩きながら、サギリは頭一つ高い位置にあるシグレを見上げる。 「………」 「どした?」 故意に伸ばした前髪に見え隠れする瞳が、優しい色をしてサギリを見る。 思わず懐かしい呼称で呼んでしまいそうになり、言い止まった。 (おにいちゃん) そう呼んでしまえば、過去に引き戻すかもしれないから。 「…シグレ」 「ん?」 「仕事、がんばるよ」 「あ?ああ、うん」 分からないという顔をしたシグレの手を取り、行こ、と促す。 シグレはちょっと驚いた様子だったが、頭を掻いて軽く頷いた。 手を繋ぐ事は唯一、昔からやっているのに昔を思い出さずに済む行為だ。 この分なら、おにいちゃんと呼べる日もきっとすぐ来る。 「サギリ、笑ってんの?」 「うん」 答えると、シグレはそう、そいつはいいや、と短く言ってキセルを仕舞った。 |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||| あああ あつい、うちに、打て………(ガクガク 2006.03.07 PR |