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絶望先生
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銀魂以外のもの置き場。
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やんこい。
にしてもこのタイトル…。タイトルセンスとか文章センスとかセンスが欲しい…





恋しいと思う片鱗を声音に溶かして捨てる
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柔らかな声音で紡がれた言葉は、ひどく絶望的なことだった。

「なあ、ヤンダ、俺は」
「いわないでください」

自分でも驚くほどかすれた声が出て、小岩井さんは表情を曇らせる。
答えを求めた癖に言わないで下さいなんて、
なんて矛盾したことを言ってるんだ俺は、とうんざりする。

「このままでいたいんだよ、俺は」
「……」
「自分の周りによつばがいて、お前らがいてさ。そういうさ」
「うん…」
「なにか変わるのは、こわいよ。いい大人が情けないけどさ、
俺は本当にお前がいなくなるのが怖いんだ」
「……俺も怖いですけど」

怖さと、欲する心の狭間に落ちてゆらゆらしている。
そんな自分を、この人は否定するでもなく歓迎するでもなく、ただ許容する。

全てを許容するというのは、1番残酷な仕打ちだと知った。
鼻奥がつんと熱くなって、うねった感情が爪先から這い上がってきた。

小岩井さんは可哀想そうな顔をして、本当に困ったように手を伸ばした。

「なあ、ヤンダ、泣かないでよ」
「…泣いてません。泣いてなんか」

伸ばした手は、途中で空を掻き下ろされて、俺に届くことはなかった。

この絶望的な状況に、ただただ柔らかな声音が残った。

 


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小岩井さんは逃げ続けるんだろうなあという感じで。

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(C)3mm.別部屋 ブログ管理者 東
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